くるりさんのシティポップ、文学部男子が考察してみた
最近くるりさんの『琥珀色の街、上海蟹の朝』という曲を拝聴した。出会ったきっかけは私が最近シティポップっぽい音楽にはまっていて、あさっていたからだ。
この曲めちゃくちゃかっこいい。
くるりさんはほとんど聞いたことなくて、かつて『オレンジデイズ」というドラマの挿入歌で『ばらの花』を聞いたことがある、という程度であった。
ちょっとサイトを見たらくるりさんの中ではかなり異質な作品らしい。
今回はそんな『琥珀色の街、上海蟹の朝』をくるりさんの知識ゼロの文学部男子が考察していきたいと思う。
まず最初に断っておくが、くるりさんのことも、この作品(曲)が創られた背景や、時代のことも、音楽的知識も持ち合わせていないので、ただテクストオンリーでこの曲の考察を進めたいと思う。
“ah beautiful city beautifulcity さよならさ マンダリンの楼上
isn't it a pity beautiful city"
とりあえずここまでで疑問なのは「マンダリン」という単語であろう。
調べたところ中国やベトナムの官氏を指す言葉、あるいは橙色(琥珀色)を指す言葉らしい。後者だろう。そのオレンジ色に輝くビルが立ち並ぶ街にお別れを告げていると推測できる。
“目を閉じれば そこかしこに広がる
無音の世界 不穏な未来
耳鳴り 時計の秒針止めて
心のトカレフに想いを込めてぶっ放す
窓ガラスに入ったヒビ
砕け散る過去のやみくもな日々
止まった時計は夜明け前5時
外の空気 君だけのもの”
トカレフはソ連のピストルの名称だ。セーフティーが省略されていて、素人が使うと爆発するものだそうだ。この場面では主人公?語りて?が銃を放ち、過去が砕かれ、外の空気は「君」だけのものだそうだ。語りては過去を壊し、この場所から去るのだろうか、あるいはトカレフの爆発によって彼自身も壊れ、「君」だけになったのだろうか。「君」が何かは定かではない。
“吸うも吐くも自由 それだけでありがたい
実を言うと この街の奴らは義理堅い
ただガタイの良さには騙されるんじゃない
お前と一緒でみな弱っている
その理由は人それぞれ
耐え抜くためには仰け反れ
この街はとうに終わりが見えるけど
俺は君の味方だ
beautiful city beautifulcity さよならさ マンダリンの楼上
isn't it a pity beautiful city"
「吸うも吐くも自由 それだけでありがたい」は前の部分から考えると外の空気についてであろうか。
よくわからない。実際そういうものが蔓延しているという意味ではなく、あくまで比喩的表現としてだが、私はドラックやたばこのことだと連想する。
そのように考えると後の「義理堅い」(口を割らないということ)や「皆弱っている」がつながる。
「この街はとうに終わりが見えるけど 俺は君の味方だ」から推測できるのが、「君」へのヒントだ。逆説からの「君の味方だ」ということは、「君」は「俺」と異なり「街」に居続ける人、あるいは「街」そのもの、あるいは「街」にかかわる何かである。
少々長くなってしまったので後半は次回に回したいと思う。
引用文献